ノーベル賞・大村さんの抗寄生虫薬に肝内胆管がん抑制効果!福岡研究グループが発見

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今年ノーベル医学・生理学賞を受賞された大村智さんの抗寄生虫薬に肝内胆管がん抑制効果があることが新たに発見されました。

発見したのは、九州大生体防御医学研究所の西尾美希助教、鈴木聡(あきら)教授(ゲノム腫瘍学)らの研究グループ。
抗寄生虫薬の「イベルメクチン」に、肝内胆管がんの原因遺伝子を抑制する働きがあるとの研究結果を発表しました。

肝内胆管がんと言えば、女優の川島なお美さんも患った病気で、生存率は約30%と言われており、有効な治療法は確立されていませんでした。

今回、研究グループは「MOB1」というがん抑制遺伝子を欠損させたマウスで、「YAP1」などのがんを増殖させる遺伝子が増え、肝内胆管がんを発症することを発見。
YAP1の活性化を抑制する物質を探索したところ、イベルメクチンなど四つの物質が見つかったそうです。

人の胆管がん細胞を移植したマウスにイベルメクチンを投与したところ、YAP1の発現が抑えられ、がんの増殖を抑えることができたとのこと。

しかし、イベルメクチンでがんを抑えるには、寄生虫治療薬として使われるよりも20~50倍の投与量が必要ということもあり、課題は残されています。
研究グループは今後、安全性の検討や、低い濃度で効果を発する類似薬を用いた研究に取り組むほか、製薬企業と共同で新たな化合物の開発を進めているとのことです。

肝内胆管がんとは?

肝内胆管がんは肝臓がんの一種で、現在は有効な治療法が確立されていない難しい病気とされています。
肝臓に発生する悪性腫瘍の中で2番目に多く、その発症率や死亡率は近年世界的に増加しています。

初期症状がほとんどなく、かなり進行するまで症状が現れないのも肝内胆管がんのやっかいなところ。

初期症状がなくても、進行すると上腹部痛、黄疸(おうだん)、全身のだるさ、食欲不振、体重減少、発熱などが現われます
また、皮膚や目に症状が出るとそれらが黄色がかって見え、血中から尿中に排泄されると尿が茶色っぽくなったりもします。

原因としては、肝内結石症、硬化性胆管炎、先天性胆道拡張症などがありますが、最近は肝炎ウイルスも原因の一つと考えられるようになってきました。
病気の多くには「食事」が関係していると言われていますが、脂肪分の摂りすぎや肥満だと肝内胆管がんになるリスクが高くなるようです。

また、胆石や糖尿病のある人は発生頻度がやや高いとされています。

早期発見が肝心ですが、進行するまで症状が現れないので早期発見が難しく、発見されたときは高度進行がんであることがほとんどなため、手術もできない場合も多いです。

それぐらい難しい病気ですから、イベルメクチンが肝内胆管がんの抑制に実用化されれば、多くの方の命が救われるようになるわけですね。